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PUBLIC PROCUREMENT GUIDE

最低落札価格とは?

「安ければ安いほどよい」わけではありません。 公共調達では、品質や安全を守るために、極端に安い入札を排除・調査する仕組みがあります。

高い 予定価格 1億円
落札候補になる価格帯
9,300万円
8,800万円
最低制限価格 8,500万円
8,200万円
基準未満
低い
01

まず、言葉を整理

「最低落札価格」は、法令上の統一された制度名ではありません。

!

実務で「最低落札価格」と言うと、多くの場合は 「最低制限価格以上で、最も低い有効な入札額」 を指します。

ただし、正確には発注者が定める最低制限価格と、 低価格入札を個別に調べる際の調査基準価格は別物です。 入札公告・実施要領で、どちらの制度が使われるかを確認する必要があります。

予定価格

発注者が契約できる価格の上限

最低制限価格

これを下回ると原則失格となる下限

落札価格

有効な入札の中から決まった契約価格

JUDGE WITH AI

どちらの制度が使われるか、AIが判定

公告や実施要領をアップすれば、最低制限価格制度か低入札価格調査制度かを自動で見分けます。

判定AIを使う資料をアップして自動分析

WHY IT EXISTS

なぜ「安すぎる入札」を止めるのか

極端な低価格受注は、契約不履行だけでなく、見えにくい場所へのしわ寄せにつながります。

01

品質を守る

材料・施工・保守の過度な削減を防ぎ、公共サービスの品質を確保します。

02

働く人を守る

下請へのしわ寄せ、賃金や労働条件の悪化を抑え、適正な労務費を確保します。

03

安全を守る

安全管理費や必要な人員が削られ、事故リスクが高まることを防ぎます。

04

産業を守る

採算を度外視した競争を抑え、担い手と地域の供給体制を持続可能にします。

制度の目的

税金を高く使うことではなく、安さと確実な履行のバランスを取ること。

TWO SYSTEMS

最低制限価格制度と
低入札価格調査制度の違い

分かれ目は、基準を下回った入札を「直ちに失格」にするか、「調査して判断」するかです。

自動判定型

最低制限価格制度

基準価格を下回った時点で、原則として失格。

入札基準未満失格
  • 判定が明確で、手続が早い
  • 発注者の調査負担が比較的小さい
  • 主に地方公共団体で活用
個別調査型

低入札価格調査制度

基準価格を下回っても、履行可能性を調べて判断。

入札基準未満調査
  • 積算根拠、施工体制、実績などを確認
  • 問題がなければ落札できる場合がある
  • 国の調達や大規模案件でも用いられる
比較ポイント 最低制限価格制度 低入札価格調査制度
基準を下回ったら 原則、その場で失格 調査の対象になる
落札の可能性 なし 履行可能と認められればあり
個別事情の考慮 しない 積算・体制・実績などを確認
主な長所 迅速で運用しやすい 企業努力を個別に評価できる
主な負担 価格競争の余地が狭まる 発注者・事業者双方に調査負担

JUDGE WITH AI

あなたの案件は「失格」?「調査」?

公告と積算内訳をアップすれば、どちらの制度に該当するか、基準額はいくらかをAIが自動で表示します。

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CASE STUDY

同じ入札でも、結果はこう変わる

予定価格1億円、基準価格8,500万円の工事に、3社が応札した例です。

入札価格 低い順
A社 8,200万円 基準より300万円低い
基準価格 8,500万円
B社 8,800万円 基準以上
C社 9,300万円 基準以上
最低制限価格制度なら

A社は失格 → B社が落札

基準未満のA社は価格が最も低くても候補から外れ、基準以上で最も低いB社が落札します。

低入札価格調査制度なら

A社を調査 → 結果で決定

履行可能と認められればA社、難しいと判断されればB社が落札候補になります。

JUDGE WITH AI

あなたの案件なら、結果はどうなる?

実際の資料をアップすれば、基準額・適用制度・根拠までまとめて表示します。

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HOW THE PRICE IS SET

金額は、予定価格の内訳に
係数を掛けて組み立てる。

基準価格は、事業者の入札額から逆算するのではなく、原則として発注者が作った 予定価格の積算内訳を基礎に算定します。まず標準モデルを押さえ、 次に各発注機関の上書きルールを確認するのが実務の順番です。

国土交通省・工事の標準モデル

令和4年中央公契連モデル

税抜内訳で計算 → 最後に消費税
直接工事費× 0.97材料・労務・機械など
共通仮設費× 0.90現場全体で共通する仮設
現場管理費× 0.90現場運営・安全管理など
一般管理費等× 0.68本社経費・利益など
4項目の合計 × 消費税相当額 = 基準価格の算定額

国土交通省の工事では、算定結果を予定価格の75%〜92%に収めます。 92%を超えれば92%、75%を下回れば75%が基準です。特別な工事は、この範囲内で別の割合を定める場合があります。

STEP 1

予定価格を4つに分解

発注者の設計書から、直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等を取り出します。

STEP 2

費目ごとの係数を掛ける

必要経費を一律に削るのではなく、品質・安全への影響が大きい費目ほど高い係数を使います。

STEP 3

上下限で補正する

計算値が定められた率の外に出た場合は、予定価格に上限率または下限率を掛けた金額へ補正します。

STEP 4

税・端数を処理する

税抜きで計算するか、最後に税を乗じるか、1円・千円単位の端数処理は要綱で確認します。

CALCULATION EXAMPLE

税抜予定価格1億円の工事なら

内訳を「直接工事費6,000万円、共通仮設費1,000万円、現場管理費1,500万円、 一般管理費等1,500万円」と仮定します。

5,820万円900万円 1,350万円1,020万円
係数適用後・税抜 9,090万円

予定価格の90.9%なので、75〜92%の範囲内。そのまま採用し、消費税10%なら税込9,999万円です。

最低制限価格制度

算定額が「失格ライン」になる

  1. 1
    発注者の要綱で算定式を決める

    地方自治体が案件区分ごとに計算式・対象金額・上下限を設定します。

  2. 2
    案件ごとに具体額を算出

    予定価格の内訳へ係数を掛け、必要に応じてランダム係数や端数処理を適用します。

  3. 3
    基準未満は価格だけで失格

    履行できる事情があっても、原則として個別調査へは進みません。

低入札価格調査制度

算定額は「調査開始ライン」になる

  1. 1
    同様の費目別算定で基準を設定

    国の工事では97・90・90・68%、75〜92%の範囲が標準です。

  2. 2
    基準未満なら落札決定を保留

    基準を下回っただけでは自動失格にせず、履行可能性を調査します。

  3. 3
    価格の根拠を個別審査

    労務・資材、下請見積、手持ち工事、技術者、安全体制、経営状況などを確認します。

  4. 4
    履行可能なら落札、困難なら排除

    調査基準価格は落札価格の下限ではなく、審査を始めるトリガーです。

LOCAL RULES

自治体ごとに変わる5つのポイント

01係数

直接工事費を100%にするなど、中央モデルを独自補正する例があります。

02上下限

標準の75〜92%ではなく、上限を95%に設定する自治体もあります。

03工種別計算

土木・建築・水道・昇降機・解体などで、費目の組替えや係数が変わります。

04ランダム係数

機械的な価格当てを防ぐため、算定基礎額へ無作為な係数を掛ける場合があります。

05失格判断基準

調査制度でも、特に低い費目がある場合の重点調査・失格基準を別に置くことがあります。

自治体例|横浜市

一般的な工事の最低制限価格は「直接工事費100%+共通仮設費90%+現場管理費90%+一般管理費68%」を基礎に、 1.0000〜1.0050のランダム係数を適用。範囲は予定価格の75〜95%です。 調査基準価格にはランダム係数を使わず、同じ費目別計算を75〜95%に補正します。

DESIGN & SURVEY SERVICES

測量・設計・地質調査は、工事と別の式

国土交通省の令和6年取扱いでは、業務種類ごとに費目と上下限が異なります。

業務基準価格の範囲主な算定の考え方
測量予定価格の60〜82%

直接測量費+測量調査費+諸経費×50%

建築コンサル予定価格の60〜81%

直接人件費+特別経費+技術料等経費×60%+諸経費×60%

土木コンサル予定価格の60〜81%

直接人件費+直接経費+その他原価×90%+一般管理費等×50%

地質調査予定価格の2/3〜85%

直接調査費+間接調査費×90%+解析等調査業務費×80%+諸経費×50%

補償コンサル予定価格の60〜81%

直接人件費+直接経費+その他原価×90%+一般管理費等×50%

各式の合計に消費税相当額を乗じ、範囲外なら上限・下限へ補正します。特殊な業務は範囲内で別割合を設定できます。

BEFORE YOU BID

公告で確認する順番

  1. 1
    制度名

    最低制限価格か、低入札価格調査か

  2. 2
    対象区分

    工事、測量、設計、役務など

  3. 3
    算定式と範囲

    係数・上下限・費目の組替え

  4. 4
    税・端数・ランダム

    税抜記載か、丸め方、変動係数

  5. 5
    追加の失格基準

    費目別基準、提出期限、調査資料

※ 掲載式は国土交通省の工事モデルと公表済み自治体例を用いた一般解説です。実際の金額は、案件の公告日現在の発注機関の要綱・入札説明書・設計書を優先してください。

JUDGE WITH AI

この計算、AIに任せられます。

費目の抽出から係数の適用、上下限の補正まで。予定価格資料をアップするだけで基準額を自動算出します。

判定AIを使う資料をアップして自動分析

TAKEAWAY

覚えておきたい、3つのポイント

1

「最低落札価格」は通称。正確な制度名を公告で確認する。

2

目的は、ダンピングを防ぎ、品質・労務・安全を守ること。

3

最低制限価格は即失格、低入札価格調査は調査後に判断。

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